ユ・ジョン・ハン You Jung Han

ヴァイオリニスト

ユ・ジョン・ハンは、フランス国立管弦楽団のヴァイオリニストであり、2009年の創設以来、《ル・バルコン》(マキシム・パスカル指揮)のコンサートマスターを務めている。
幼少よりヴァイオリンを学び、ダヴィッド・オイストラフの弟子であるミロスラフ・ルシーヌに師事。パリ地方音楽院(CRR de Paris)でイゴール・ヴォロシンに学んだ後、パリ国立高等音楽院(CNSMDP)にてボリス・ガルリツキーのクラスで研鑽を積んだ。さらにオリヴィエ・シャルリエ、パトリス・フォンタナローザ、イダ・ヘンデル、パヴェル・ヴェルニコフといった巨匠たちのマスタークラスを受講。グラズノフ国際コンクールやヴァトロ=ランパル国際コンクールなどで入賞している。

ル・バルコンのコンサートマスターとして、ブーレーズ、グリゼー、エトヴェシュ、シェーンベルクなど20世紀から現代音楽まで幅広いレパートリーを探求し、またリヒャルト・シュトラウス、マーラー、リムスキー=コルサコフ、ベルリオーズといったオペラや編曲作品にも取り組んできた。これまでにチョン・ミョンフン、ワレリー・ゲルギエフ、ダニエル・ハーディング、リッカルド・ムーティ、エサ=ペッカ・サロネン、パーヴォ・ヤルヴィら世界的指揮者のもと、主要オーケストラと共演を重ねている。

また、ウィーン楽友協会、ニューヨーク・カーネギーホール、フィルハーモニー・ド・パリ、ベルリン・フィルハーモニー、ハンブルク・エルプフィルハーモニー、ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール(BBCプロムス)など、世界の名だたる音楽祭やホールに出演。ソリスト、室内楽奏者、オーケストラ奏者として、ヨーロッパ各地および国際的に活動している。

レコーディングにも積極的で、アルチュール・ラヴァンディエによる室内オペラ「Bobba」の初演や、「幻想交響曲」(ベルリオーズ/ラヴァンディエ編)の新解釈版をル・バルコンと共に録音し、Actes Sud/Harmonia Mundi からリリースしている。現代音楽への献身は、常に新しい音響言語を追求し、伝統と革新の対話を志向する姿勢の表れである。

現在、1798年製のニコラ・ガリアーノ2世によるヴァイオリンを使用している。